前期や後期以外も存在する?見分け方や最初期のBOSS DM-2も!

Effector
前期DM-2の中でも赤インクMN3101を搭載した最初期物

1981年に誕生しアナログ・コンパクト・ディレイの世界基準とされ今なおアナログディレイの名機として人気のあるBOSS DM-2。ディレイタイムは20ms~300msと現在一般的なデジタルディレイに比べ短めですが、アナログディレイならではのデジタルに無いウォームで柔らかく心地良い響きが特徴です。2014年にはBOSS による公式モディファイモデルBOSS DM-2Wも登場していますがオリジナルならではのサウンドで中古市場でも人気があります。

BOSS DM-2には「前期型」「後期型」と呼ばれる仕様違いも存在しており、それぞれの特徴についても見てみましょう。

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BOSSコンパクトディレイの誕生

現在ではスタンダードなエフェクターであるディレイですが、当時は大型のテープエコーが主流でした。そして、テープエコーはビデオデッキほどの大きなサイズで、記録と再生に磁気テープを使用したディレイ・エフェクトユニットです。そんな中、1970年代にはRoland RE /SRE シリーズ 、Maestro Echoplex、Binson Echorecなどのテープエコーが発売されました。しかしながら、これらのテープエコーはサイズの問題とテープのメンテナンスが必要でアマチュアギタリストは導入しにくいエフェクターで、そこに目をつけた日本のエフェクターブランドBOSSは1981年に手軽にテープエコーサウンドをコンパクトエフェクターサイズにインストールした世界初のコンパクトディレイペダルBOSS DM-2が誕生しました。

このBOSS DM-2は低価格でメインテナンス不要なコンパクトサイズのディレイとなり、それまで主流であったテープ・エコーからプロ・アマチュア問わず使いやすいDM-2へ移行し、瞬く間に世界中にBOSS DM-2が広まりました。さらに、ACA電源と9V電池で駆動し大きなAC電源が必要ないのも当時は衝撃を与えたことでしょう。ディレイと言えばBOSSというのもこのDM-2の存在があったからこそと言えるでしょう。さらに、名機DD-3やDD-8へとアップグレードを続け、今なお探究心は受け継がれています。

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BOSS DM-2 レビュー!各コントロールノブの効果とDM-2の特徴

BOSS DM-2はディレイタイム20ms-300msとなっており、3つのノブにより構成されています。それぞれのノブはディレイ・タイムに相当するREPEAT RATEディレイ・レベルに相当するECHOフィードバックに相当するINTENSITYのコントロールが可能です。

さらにコンパクトエフェクターながらノイズリダクション回路を採用しておりアナログディレイながら歪みにくい高品質なディレイサウンドが特徴です。デジタルディレイとは違い、遅延素子とクロックドライバによりディレイを生成しているアナログディレイですので温かみがあり耳あたりの良いディレイサウンドです。

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DM-2の前期型と後期型の違いとは?見分け方も!

BOSS DM-2には生産された時期によってパーツが一部変更されており、一般的に「前期型」「後期型」と区別されています。もちろん、この仕様変更はサウンドに大きく関わっておりそれぞれの違いが生まれました。サウンドの特徴としては、前期は暖かく太いサウンド、後期は前期よりノイズが少なくクリアなサウンドといった傾向で、お好みのサウンドにあわせてお探しになる方が多いようです。前期の方が後期と比べ、よりヴィンテージ感のあるアナログディレイサウンドといえます。

この「前期型」「後期型」の見分け方は基盤上の「遅延素子」と「クロックドライバ」の型番により判別が可能で、前期型:遅延素子MN3005、クロックドライバMN3101のペア後期型:遅延素子MN3205、クロックドライバMN3102のペアとなっています。

前期型となる遅延素子MN3005、クロックドライバMN3101のペア

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DM-2前期シリアルナンバーの中でも最初期の仕様がある

「前期型」と「後期型」の2つの時期に分けられることが多いですが、前期型の中でも1981年の7月頃に生産された最初期の物は、さらに仕様違いの個体があります。

BOSS DM-2 基盤

前期DM-2の中でもかなり数の少ない赤インクMN3101を搭載した最初期物

  • 基板シリアルナンバーの違い:最初期物は2291045800
  • D5ダイオードの実装位置:最初期物はパーツ実装面ではなくプリント配線面側に付いている
  • 赤インクのIC:MN3101は前期物と言われるものでも通常白インクですが、最初期物は赤インク
  • オペアンプの違い:前期物と言われるものは「NEC」のみですが、最初期物は「NEC JAPAN」表記
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BOSS DM-2の主な規格

  • 電源:9VDC、ACアダプター(ACA)
  • 消費電力:11mA
  • コントロール:REPEAT RATE、ECHO、INTENSITY
  • ディレイタイム:20-300ms
  • 外形寸法:70 x 55 x 125 (mm)
  • 重量:450g
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BOSS DM-2とDM-3の違いを探る

BOSS DM-2と後継機種となるDM-3を比較してみたいと思います!DM-2が登場した3年後の1984年、進化版となるBOSS DM-3がリリースされました。DM-3のディレイ・タイムは20msec~300msecでDM-2と同じですが、高性能なノイズ・リダクションや精密フィルター回路を搭載し、アナログディレイならではの歪みやノイズを緩和しクリアなサウンドとなりました。さらにDirect Outを搭載することでドライ音とディレイ音のステレオ出力が可能となりました。当時はあまり行わなかったかもしれませんが、BOSS DM-2では近年のディレイには必ずと言っていいほど求められる「発振」も可能です。発振の具合は個体差も見られますので、今後中古品を購入を検討されている方は個体差の違いも考えて選ぶと良いかもしれません。DM-3やWAZA CRAFT- DM-2Wはバッチリ発振します。

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オリジナルDM-2と技-WAZA CRAFT- DM-2Wを比べてみた

オリジナルBOSS DM-2が1981年に発売されてから33年後の2014年に技-WAZA CRAFT- DM-2Wが発売されました。DM-2を忠実に再現したスタンダードモード(S)、新機能を搭載したカスタムモード(C)では800msまで設定でき、新規で設けられたRATE端子にRoland EV-5等のエクスプレッションペダルを接続すれば、足元でディレイタイム調整となります。タップテンポはできないですが発信も可能です。それでは、実際の比較動画を見てみましょう!