- Master Built Seriesとは?
- 歴代のMaster Builder一覧
- Todd Krause(トッド・クラウス)
- John Cruz(ジョン・クルーズ)
- Greg Fessler (グレッグ・フェスラー)
- Dennis Galuszka (デニス・ガルスカ)
- Yuriy Shishkov (ユーリ・シスコフ)
- Paul Waller (ポール・ウォーラー)
- Stephen Stern (ステファン・スターン)
- Dale Wilson (デイル・ウィルソン)
- Jason Smith ( ジェイソン・スミス)
- VINCENT VAN TRIGT ( ヴィンセント・ヴァン・トライグ)
- Kyle Mcmillin ( カイル・マクミリン)
- RON THORN ( ロン・ソーン)
- AUSTIN MACNUTT
- ANDY HICKS
- DAVID BROWN
Master Built Seriesとは?
Master Built Series(MBS)とは、Fender Custom Shopスタッフの中でも一流の職人として認められたMaster Builderによって、木材の選定から最終セットアップまでの工程が行われるのが特徴のシリーズです。最高峰の職人1人によって作り上げられるオールハンドメイド品には、それぞれMaster Builderのサインが入れられ、同じFender Custom Shop内でも一線を画するクオリティーを誇ります。Master Builderたちは、有名アーティストが実際に使っているギターの製作やリペアを行っていますので、アーティストと全く同じギターがしばしばオーダーされることもあり、通常では触れる事も出来ない、憧れのアーティストと同じギターを手に入れられる点も魅力の一つとなっています。John CruzとJohn Englishは日本のみならず世界中で絶大なる人気を誇ります。
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歴代のMaster Builder一覧
Todd Krause(トッド・クラウス)
John Cruz(ジョン・クルーズ)
マスタービルダーと言えばJohn CruzとJohn Englishの二人と言われる程、絶大な人気と評価を誇るビルダーです。グラミー賞受賞アーティストJohn Mayerが使用しているStratocasterの中でも有名なBlack 1を製作したMaster Builderです。1987年のFender入社後、1993年にFender Custom Shopへ参加。2003年にMaster Builderへと昇格しています。独特なRelicの質感が特徴的なビルダーで、彼が作り上げるギターには、サウンド面だけでなく、ルックス面にも定評があります。また、多くの限定レプリカモデルも製作しており、そのラインナップは、Stevie Ray Vaughan Number One StratocasterやJeff Beck Esquire Relic、Yngwie Malmsteen Duck Stratocaster、John Mayer Limited Edition Black 1、Gary Moore 1961 Fiesta Red Stratocasterなどどれも大人気のモデルだらけです。
”John Cruz”と”Relic”と”Fender Custom Shop”のスタンプが入っているTeam Built時代にジョン・クルーズが制作した通称”Cunetto Relic”です。
Greg Fessler (グレッグ・フェスラー)
Robben Fordのパーソナルビルダーとして有名なMaster Builderです。また、1990年のFender Custom Shop参加以来、Joe Bonamassa, Jeff Healey, Hank Marvin, John Mayer, Rhonda Smith, Neil SchonなどにもStratocasterやTelecasterの製作を行っており、多くの著名アーティストとか変わってきた人物でもあります。中でもNeil SchonはGreg Fesslerが製作したShowモデルを一目で気に入り、購入後電話越しにギターを弾き、追加でオーダーも行ったそうです。Vintageスタイルの楽器だけでなく、フロイドローズを搭載したカスタムギターを製作するなど、マルチに対応するMaster Builderです。
Dennis Galuszka (デニス・ガルスカ)
Paul McCartney, Andy Summers, Johnny Marrらの楽器製作者として有名なMaster Builderです。ジョン・メイヤー、プリンスのギターを製作したことでも知られています。彼はFenderに入社する以前の13年間、家具職人として働いていました。また同時にドラマーとしても活躍しており、その当時のバンド仲間であったFred Stuart(当時のMaster Builderの一人)の紹介で1999年にFenderに入社。その後わずか8ヶ月という驚異的なスピードでMaster Builderへと昇格しました。木工加工に慣れていたとはいえ、8か月でマスタービルダーとは・・・完全に天才肌なのでしょう。とても素晴らしいですね。
彼は日本限定生産の高中正義シグネイチャーモデルTAKANAKA Stratocaster開発・監修を行ったことでも知られており、近年ではLUNA SEAのINORANジャズマスター等の製作でも知られています。かつては。マスタービルダーであるグレッグ・フェスラーと共にロベン・フォードモデルの製作もしていました。家具職人として長年従事してきた経験から木材への深い知識を元に楽器を製作していることから、ネックには強度に優れた柾目メイプルを使った個体が多くみられ、時には追柾目のメイプルも見かけられます。タイトでストレートな木目を好んで選定していますが、極端に選定幅を絞っているというよりも極端に重い木材は避ける程度で、天然の木材をより自然に採用し、楽器として仕上げることに重点を置ていている点は、共感を持てるギタリストやベーシストは多いのではないでしょうか?ギターでもベースでもその評価はとても高く、特にベースにおけるウッディーな自然な鳴りがベーシストを魅了して止まない正にマスタービルダーらしいビルダーです。塗装や仕上げへのこだわりも深く、通常Relic仕上げにはRelic、Journeyman Relic、Closet Classic、Heavy Relicがありますが、「Between Closet Classic and Journeyman 」(Closet ClassicとJourneymanの中間のレリック具合 )と記載された個体もあり、固定概念に縛られず、創作意欲の湧くままにこだわりのギターやベースを制作している職人気質のマスタービルダーです。
最後に、Dennis Galuszkaを日本語としてどう発音すべきか悩ましいところで、デニス・ガルスカかデニス・ガルズカがよく見かける読み方ではないでしょうか?Fender社の公式見解ではDennis Galuszka=デニス・ガルスカとなっています。
そもそもFender Custom Shopが作られた目的とは?
Yuriy Shishkov (ユーリ・シスコフ)
Dimebag Darrell、Jimmy Page、Robert Plant、Nuno Bettencourt、Paul Stanleyなど、そうそうたるアーティストの楽器に関わってきたMaster Builderです。旧ソビエト出身の彼はギタービルダーを目指し、1990年に渡米。Washburnのマスタールシアーに就任し、様々なアーティストと関わりつつ、後の2000年に Fender Custom ShopのMaster Builderになりました。精密なインレイワークやRelicを得意とし、2016年のNAMM Showではその技術を最大限に発揮させ、華やでShowモデルらしいTelecaterを製作していました。
Paul Waller (ポール・ウォーラー)
U2 BonoのCustom Thinline Telecaster、Rolling Stones Keith RichardsのTelecaster、Ronnie WoodのStratocaster、などを製作したことで有名なMaster Builderです。2003年にFender入社後、現在はBenedetto Archtopで世界的なトップルシアーとして活躍しているRobert Benedetto(当時はFenderに在籍していた)の元で各技術を学び、2010年にMaster Builderへと昇格しています。彼は前述したアーティスト以外にもBuddy GuyやNile Rodgers、Troy Van Leeuwenなどの楽器を作っており、中でもTroy Van Leeuwenが使用するダブルネックジャズマスターは有名です。
マスタービルダー ポール・ウォーラーのサイン。
マスタービルダーの候補者として製作し、販売された際の認定書です。滅多に出てこないコレクターズアイテム。
Stephen Stern (ステファン・スターン)
Jimmy D’AquistoやBob Benedettoの元でアーチトップ製作を学び、D’Aquistoが亡くなる1995年まで共に楽器を製作してきたビルダーです。その箱モノへの深い知識を活かし、Gretsch Custom Shopのマスタービルダーとして活躍している人物です(Gretschのギター部門は2003年にFender傘下になっています)。近年はGretschでの製作を主にしているため、Fender Custom Shop製品は数も少なく、彼が製作したソリッドギターというだけで、付加価値がつくほどレアになっています。Gretsch愛用者であるブライアン・セッツァーからも厚い信頼を置かれています。
Dale Wilson (デイル・ウィルソン)
Sheryl Crow 1959 Custom Telecasterを製作したことで知られるMater Builderです。2003年にFenderに入社後、2005年にFender Custom Shopの一員となり、2011年にMaster Builderへと昇格しました。Fender以外ではDobroやRickenbacker、GUILD、Benedettoの製作経験も持ち、あらゆる構造のギターへ対応が可能なビルダーでもあります。彼の作る楽器は市場の人気度が高く、2017年4月時点では新規オーダー約3年待ちと凄まじい人気度を誇っています。また、様々なモデルを製作していますが、他のビルダーに比べて70’sスペックのStratocasterをよく製作しており、ラージヘッド+FキーといったハードロックなMaster Built Stratocasterも販売されています。
Jason Smith ( ジェイソン・スミス)
Michael Landau、John 5、Steve Harris、Linkin Parkなどの楽器製作で有名な人物です。1995年にFender Custom Shopに参加後、2006年から5年間、名工John Englishの元で修行をし、Master Builderへと昇格しました。父親がFender R&D(研究開発部門)で活躍したDan Smithであったことから、幼いころからFenderが近くにあり、Eric ClaptonやYngwie Malmsteen、Jeff Beck、Robben Fordらとも親交が深いそうです。過去にはYngwie Malmsteenの愛器、通称Play Lordを細部まで再現した限定モデルYngwie Malmsteen Tribute Stratocasterも製作を担当し、確かな人気を獲得しています。
VINCENT VAN TRIGT ( ヴィンセント・ヴァン・トライグ)
オランダ出身のヴィンセント。2005年にフェンダーで働き始め、2012年にはカスタムショップでその腕を振るっています。Fenderの傘下であるGretsch Custom Shopにて元FenderのMaster BuilderであるStephen Sternの下で2年間、John Cruzの下で5年間従事しています。 この間、Gary Moore’s ’61 Stratocasterのレプリカや30本限定のJimmie and Stevie Ray Vaughan 30th anniversary Stratocasterの製作に携わっています。
Kyle Mcmillin ( カイル・マクミリン)
Fenderのメインファクトリーにおいて15年間のギター製作が評価され、マスター・ビルダーに昇格したカイル・マクミリン。マスタービルダーになる直前の5年間はマスタービルダーのユーリ・シスコフのアシスタントとして約1000本のギター製作に携わりました。
RON THORN ( ロン・ソーン)
Ron Thornは、父と共にThorn Inlay社でギタークラフトマンとして、インレイアーティストとして長年ギター製作に関わっていました。Thorn Inlay社は1990年代からFender Custom Shop唯一のインレイプロバイダーとして指名されていて、かねてよりRon ThornとFender Custom Shopは深い関係で結ばれていた事が伺えます。John Cruzの作品にインレイアーティストとして参加もしています。
AUSTIN MACNUTT
ギタークラフトアカデミーを卒業後、ギター製作を教えている5年間の間に、後にマスタービルダーとなるRon Thornと出会います。木材の選定からフレットワーク、CNCオペレーションまでギター製作に関するすべてのことに関わり、マスタービルダーの地位を手に入れることに成功しました。
ANDY HICKS
2009年にクラフトアカデミーで学んだ後、Fender傘下のJackson Custom Shop、Gretsch Custom Shopなどを経て、James Tylerにリードビルダー兼プロダクションマネージャーとなります。そしてついに、Fender Custom Shopへと戻り、Master Builderとなりました。
DAVID BROWN
YAMAHAで技術者として働いた後、2000年にFenderに転職します。その中、大学でマーケティングを本格的に学び学位を取得します。Fender Custom Shopで新しいモデルやアーティスト向けの製作を手掛けていました。その後、G&L Custom Shopを経て再びFender Custom Shopへ戻り、Master Builderとなりました。
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