Tom AndersonのSwitcherooやパッシブブースター「VA Boost」

Guitar

Tom Andersonはハイエンドギターの金字塔を打ち立てたブランドです。Switcheroo SystemやA Wedge Joint System等、Tom Andersonは独自の発想と技術力でギターを製作しています。その中でも電装系は特殊で多彩なサウンドでプレイできる一方、初めて見た方は、たくさんのスイッチが搭載されていてどれがどれかわからない!!ってなりますよね…。そこで今回はTom Andersonのコントロール部を徹底解説していきます!

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Tom Anderson 各種コントロールの挙動

Switcheroo


Switch(上):Split or Pararell
Switch(中):Off
Switch(下):Series

Switcheroo(スイッチルー、スイッチュルー)はTom Anderson独自のピックアップセレクトシステムです。一見複雑で使いにくそう!と思われるかもしれませんがFenderの5way Pickup Selectorでは出すことのできない幅広いサウンドを瞬時に切り替えることが可能です!

ボリュームとトーンの間にある3つのミニスイッチはそれぞれのピックアップに対応した3-Wayスイッチです。手元側(上)でピックアップのコイルタップ又はパラレルサウンド、センター位置ではピックアップOFF、下に倒すことでシリーズサウンドを選択することが出来ます。コイルタップとパラレルの切り替えはピックガード裏に設けられているスイッチでセレクトできます。しかし、ピックガードを外さなくてもボディーバックからビスを二本外すことで簡単に設定を行なえます。

Blower Switch

Blower SWは、Switcherooがどんな設定でも瞬時にリアのハムバッカーを選択することが出来るスイッチです。例えばバッキング時はフロントのタップ+リアのタップで演奏し、ソロ時にブロワースイッチを使用しリアのハムバッカーに一発で切り替えることが可能です。Fenderなどの一般的なピックアップセレクターでは対応できなとても優秀な機能です。

Switch(上):Blower Off
Switch(下):Blower On

Add Bridge Switch

Add Bridge Switchの標準的な機能としては、フロントまたはセンターピックアップを使用時にリアピックアップのサウンドが足されるスイッチです。カスタムオーダーを受けているTom Andersonですので、個体によってはフロントのみ効く個体も確認されています。

VA Booster

Tom Anderson独自のパッシブブースターで、電池を使わずスイッチひとつで粘りのあるサウンドをアウトプットできます。

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TapとCoil Splitは何が違う?

結論からいいますと同じです。日本ではタップということが多いと思いますが、英語圏ではCoil SplitやSplitと表現するのが一般的です。

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シングルピックアップなのにコイルタップ?パラレル?

ハムバッカーでのコイルタップやパラレルは一般的ですが、シングルコイルピックアップでそんな事できるの?と疑問になった方もおられるでしょう。その通りで、一般的なシングルコイルピックアップでタップやパラレルはできません。ただ、Tom Andersonのシングルスタイルピックアップ(VAを除くSC、SA、SFなど)に見られる4芯仕様のピックアップではコイルタップやパラレルが可能です。このスタックタイプピックアップはシングルコイルピックアップの外観はしていますが、2つのコイルが上下に重なったハムバッカー構造となっており、コイルタップやパラレル、シリーズなどの配列が可能となっています。

シングルコイルが上下2段になっているのがわかります。見た目はシングルコイルそのものです。

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Series/Tap/Parallelの特徴

サウンドの特徴はフルサイズのハムバッカー(コイルが横並び)とスタックタイプ(コイルが2層)で異なります。

■ハムバッカー(コイルが横並び)

普通のハムバッカーです。

  • Series(シリーズ)→2つのコイルを直列に接続し、太さのある一般的な配線のサウンド(=一般的なハムバッカー)
  • Split(スプリット)→1つのコイルを使用した歯切れのいいシングルコイルサウンド(=コイルタップ)
  • Parallel(パラレル)→2つのコイルを並列に接続し、ノイズが少ないローパワーなサウンド(=疑似ハーフトーン)

■スタックタイプ(コイルが縦並び)

外観は普通のシングルコイルですが、シングルコイルが上下に重ねられたスタック構造となっています。SSH配列でフロントとセンターに採用されることが多いです。

  • Series(シリーズ)→2つのコイルを直列に接続し、ノイズが少なくパワフルなサウンド(=疑似ハムバッカー)。シングルコイルとハムバッカーの中間程度のパワー感。
  • Split(スプリット)→1つのコイルを使用した歯切れのいいシングルコイルサウンド(=コイルタップ)
  • Parallel(パラレル)→2つのコイルを並列に接続し、ノイズが少なくローミッドが減衰したサウンド
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Drop Top Classicに実装されているコントロール

Switcherooを採用したモデルでは前述通りのコントロールとなりますが、その他にも様々な配線が施された個体もあります。ミニスイッチやトーンポットのプッシュ・プルの役割は様々です。量産ブランドではない、1本1本製作しているカスタムブランドならではです。

Tom Anderson Drop Top Classic Cajun Magenta with Binding 2013

  • Master Volume
  • Master Tone
  • Switcheroo
  • Blower Switch

 

Tom Anderson Drop Top Classic Tiger Eye Burst 2014

 

  • Master Volume
  • Master Tone
  • 5-Way PU Selector
  • 3-Way SW(Normal / VA Booster / PU Split)
  • Add Bridge

 

Tom Anderson Shorty Drop Top Classic Cajun Magenta 2019

 

  • Master Volume
  • Master Tone
  • 5-Way PU Selector
  • 3-Way SW(Front&Rear Split / Normal / Rear Direct Hum)
  • Tone Push/Pull Center PU Split
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