SadowskyのNYCとTYOとMetrolineは何が違う?

Sadowsky NYC Custom Standard 4st Master Grade Buckeye Burl Top Bass

Roger Sadowsky率いるSadowsky Guitarsの中でもメトロラインは「世界戦略モデル」として位置付けられています。ここまではっきり「世界戦略」と打ち出すのは珍しいかもしれませんね。有言実行とでも言いましょうか、実際メトロラインシリーズは世界中でヒットしています。記録を辿ってみると、2017年にはシリーズ合計で10,000本以上製作しています。最初の頃はこれほど売れてはいないでしょうから、近年はかなりの数を製作しているのでしょう。この価格でこれだけの本数を販売するのは、ギターやベースではかなり大変なことです。さらに、Roger Sadowskyは1972年頃からギター制作やリペアを行っていますので、これだけ長年に渡って第一線で活躍しているのはやっぱりすごいです!

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Sadowskyの歴史

ここで、Roger Sadowskyの歴史をたどってみたいと思います。

1972 LoPrinzi GuitarsのLoPrinziさんとアコースティックギターの製作を始めます。

1974 アメリカのアードモアにてMedley Musicの修理部門を引き継ぐ形で、Roger Sadowskyが有名になるきっかけとなるリペア業務を始めます。

1979 ここでついにNew Yorkに進出します。

1980 エレキギターの製作を始めます。Marcus MillerのFender 1977 Jazz Bassをモディファイします。でもころころにはまだベースは製作していません。

1982 ついにベースの製作を始めます。Marcus Millerのベースをモディファイしたことがきっかけなのかもしれません。この頃にポール・サイモン(ex.サイモン&ガーファンクル)のギターを製作したりリペアを行い始めます。

1984 故PrinceのPurple Rainツアーの為に、6本のギターを製作しています。

1985 始めての正社員を雇います。その名はJ.W. Black。今ではJ.W. Black Guitarsを立ち上げていますが、それ以前はFender Custom ShopでMaster Builderとしての経歴を持ちます。すごい繋がりですね!

2003 日本でMetrolineシリーズやJim Hall modelなどのArchtop Guitarの製作が始まります。2004年1月のNamm Showで発表されていますので、数年前から企画が進行していて2003年頃から制作を開始しているのでしょう。満を持して2004年から販売開始です。

2004  Tal Wilkenfeldのベースを製作。

2009 Will LeeのSignature Model Bassを製作。

2011 Long Island Cityに移転。1986年の移転時から当初のNYC(=New York City)ではなくなったもののLong Island CityはNew York州です。

 

ヒストリーを見るとかなり初期の頃にマーカス・ミラーのベースを改造していることがわかります。この出会いは大きいですね。それと同じぐらい大きなターニングポイントになっているのが、やはり2004年のMetroline Seriesの販売開始です。今でこそMetrolineやMetroline Express等で購入しやすい価格帯になり、頑張れば学生でもバイト代を貯めて買える価格となりましたが、2004年より前はSadowsky NYCしかなく50~100万円以上が当たり前のハイエンドブランドでした。Metroline Seriesによって、多くの世代で認知され、Sadowsky Guitarsというブランド自体もかなり広まったのではないかと思います。あこがれから、手の届く存在になったのは大きいですね。

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Sadowskyシリーズ別の特徴

NYC Series

カスタムオーダーならではのBuckeye BurlやSpalted Mapleなどのエキゾチックウッドを使っています。Sadowskyでストックしているボディートップ材はメーカーウェブサイトで見る事ができます。カスタムオーダーできるメーカーはいくらでもありますが、ストック材をウェブで見れるメーカーはごくごく少数です。しかも、これだけ有名なメーカーで見られるのはSadowskyだけな気がします。

ギターだとSadowskyオリジナルのピックアップをエスカッションを使いHSHマウントしているのも特徴的です。他のブランドではダイレクトマウントも多くみられますが、Sadowsky NYCはほとんどがエスカッションマウントです。ピックアップの配列もSSHが多いですが、Sadowsky NYCは圧倒的にHSHが多いです。ディンキーサイズのボディーには、ほとんどのメーカーでナチュラルバインディングを採用していますが、Sadowsky NYCではほとんど見かけません。こういった他のブランドではよく採用されているスペックがSadowsky NYCでは採用されていないことが多く、”Sadowskyらしさ”が出ています。

TYO Series

Sadowsky NYCで菊池氏が制作していたギターやベースと同じように、ほぼ同じ製作工程で、ほぼ同じパーツを使い、ほぼ同じ木材を使い菊池氏が組み込んでいます。近年NYCではエキゾチックウッドが使われることが多いのに対して、Sadowsky TYOではキルトメイプルやフレイムメイプルを採用したベースが多くみられます。ギターでもSuhrやTom Andersonなどのコンポーネントブランドでよくみられるフィギュアド・メイプルとナチュラルバインディングを採用したディンキーシェイプが人気です。スペックシートには菊池氏のサインが入れられています。

Metroline Series

Metrolineシリーズは、カスタムラインとなるSadowsky NYCのクオリティーを維持しながらスペックを固定し量産化したモデルです。しかし、ギターとベースではやや位置づけが異なっているようです。

MetrolineシリーズのベースではNYC Bassの基本的なモデルをすべてラインアップし、MetrolineでもMetroline Expressでも搭載されているピックアップ、プリアンプ、ブリッジはSadowsky NYCと同じパーツが使用されています。それでありながら、メインモデルとなる4弦のローズ指板モデルRV4やメイプル指板モデルMV4が定価310,000円のリーズナブルの価格設定です。5弦モデルで Sadowsky Humcancelling J5 Puckup を搭載したSadowsky MetrolineのRV5やMV5は定価320,000円となっており、4弦と比べても1万円高いだけで、実売価格では数千円の差しかないお買い得5弦ベースです。2017年に発表されたMetroline Expressは4弦メイプルのMV4Eと4弦ローズのRV4Eが定価210,000円、5弦メイプルのMV5Eと5弦ローズのRV5Eが定価230,000円となっています。高品質なだけでなく、こういった価格戦略がとてもうまいのでサドウスキー のベースは高評価されているのがわかりますね。Metroline Expressのカラーは全部で6色のみとなっており、Metrolineの23色に比べかなり限定されています。できるだけサウンドを犠牲にしないでコストダウンする方法がうまいのがSadowsky Metroline Seriesの特徴だということがわかります。

Metroline Metroline Express
ヘッドロゴ Sadowsky Metroline Sadowsky Metroline Express
チューナー Gotoh/Sadowsky Tuning Gear Hipshot Lisenced
シリアルナンバー Mシリアル MEシリアル
定価 31万円(RV4) 21万円(RV4E)

一方、ギターはSadowsky NYCに準じているというよりも、手ごろにSadowskyを提供したいと考えていたのかもしれません。Sadowsky NYCの最も特徴的なアクティブサーキットは搭載せず、オーソドックスなストラトキャスターのスペックで製作されています。R1は3シングルコイルのストラトで定価が220,000円、SSHモデルのR2が230,000円でベースよりも3割程度安い価格設定になっています。

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音の違いは?SadowskyのNYCとTYOとMetrolineではどう違う?

サドウスキーNYCとTYOは似ている

個人的な感覚を多く含みますが、ギター、ベース共にNYCとTYOはかなり似ているかなと思います。ちょっとしたスペックや個体の差はもちろん感じますので、同じではありませんが、明確な違いというほどではないと思います。ただ、現在ではNYCはチェンバードでTYOはソリッドが基本となっているので、その違いに敏感な方は差を感じると思います。軽いソリッドボディーの音はチェンバードのサウンドに近くなってくるので、個人的にはこの辺りの明確な差は出にくいかなと思っています(=個体差かスペックの差かがわかりにくい)。ちなみに、サウンドはネックが最も重要という方も多く、ボディーをチェンバードにするのも軽くしたいという理由のようです。ボディー材が関係ないということではないのでしょうが、過去にSadowsky TYOの菊池氏もそれに近い話をしていて、輸入元で長年働いていた別の方も同じような趣旨の話をしていました。私自身の経験でいうと、A社のアッシュとB社のアルダーの音がかなりそっくりだったり、C社のバスウッドとD社のアルダーの音がそっくりだったという経験があります。なので、Roger Sadowskyがいいたこともわかるな~と。奥が深いですね。Sadowsky NYCのソリッドボディーの物をお探しの方は、近年物ではなく少し昔の個体を探すと出てきますよ。Sadowsky NYCの一昔前の中古品はかなりリーズナブルな価格設定の中古品が多いので、「この価格で、このサウンドが手に入るの?」と思っていただけるはずです!Sadowskyの中古品はとてもオススメです。

サドウスキーMetrolineでもギターとベースでは違う

NYCとTYOは上記のような感じですが、Metrolineはまた別の印象です。ベースのMetrolineシリーズはNYCとTYOにかなり近いサウンドという印象です。アメリカで作っているNYC、NYCとほぼ同じ内容で日本で作っているTYO、TYOのスペックを固定化と量産化して価格を抑えたMetrolineです。価格やグレードでいうとNYC→TYO→Metrolineですが、TYOでMetrolineと同じスペックでオーダーしても少し高くなるだけで、あまり金額の差はありません。Metrolineは製作効率を良くしたことで品質を落とさず値下げができ、音が良いということですね。Metrolineのベースが人気があることがわかります。一方、Metrolineのギターはかなり違います。スペック、木材の質、見た目どれをとってもNYCやTYOとは違います。しかし、憧れのSadowskyのギターがこの価格で手に入るのはとても魅力的な事です。

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たくさんあるヘッドロゴ

  • Sadowsky Guitars,LTD.
  • Sadowsky Guitars・NYC
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Sadowskyの正規輸入元はオカダ・インターナショナル

Sadowskyの正規輸入元はオカダ・インターナショナルです。Sadowsky Clubの運営も行っていて、オーナー一人一人に合わせたオーダーメイド感覚のアフターケアを行うだけでなく、Sadowsky最新ニュースやお得な情報をシェアする仕組みになっています。オカダインターナショナルであればロジャー・サドウスキーの下で学んだ菊池氏が在籍していますので、万全のアフターケアが魅力的ですね。オカダインターナショナルでは、他にもSuhrやFractal Audio、EMG等の正規輸入元にもなっています。